医療ビジネス研究会(第88回、第149回)に登壇された理学療法士の小川順也氏が参画される、映画『いまダンスをするのは誰だ?』制作プロジェクトが進行中です。
医療技術の進展により克服できる病が増えているものの、未だに原因も治療法も解明できない病も少なくありません。その中の一つに、病気のメカニズムも治療法も確立されていない特定疾患(難病)のパーキンソン病があります。標準的な医療対応としては薬物療法、運動療法、手術療法がありますが、根本的な原因が分からないため根治療法を確立することが出来ません。治療はある程度病が進行していないと保険適応とならない為、早期対応が望まれる運動療法が十分なされず進行を速めてしまう状況が少なくありません。
パーキンソン病は罹患しても適切な対応で進行を遅らせたり、社会とのつながりを維持し健常者と変わらぬ生活を送ることが可能ではありますが、社会的認知度が低く周りの人からの理解が不十分であったり、職場でも言い難く、仮に言えたとしても簡単な仕事を任せられたり、配置転換等で居場所がなくなる状況も少なくありません。障害者差別解消法が施行(2016年)され、身体に障がい持たれる方に対しては一定の配慮がされるようになりましたが、神経・精神疾患に対しては十分ではなく、特に働き盛りの罹患者にとっては無関心という差別の壁があり、真のバリアフリーには程遠い現実があります。
本プロジェクトは精神・神経疾患の認知度を高め、社会の無関心の状況を変え、障がい者と健常者が共生する社会の実現をめざす取組みで、PD Cafe(パーキンソン病罹患者を対象とした運動継続プログラム)を展開する小川氏が参画されています。